ESSAY

2014-11-13

小さくて大きな鍵。

関係が良好だというだけで、かんたんにできたり、やすくできたり、気軽にできたりすることは、たくさんある。

例えばアンケートをとったり、質問をしたり、お醤油を借りたり、席を譲ってもらったり、手伝ってもらったり、事情を聞いてくれたりする。

だから反対に、関係が良好でないというだけで、途端に求める「それ」がむずかしくなったり、お金がたくさんかかったり、手間になる。

例えばちょっとしたアンケートをとろうと思っても、数十人でもウン万円からウン十万円もする。答えを知っていそうな人がいても訊けないのなら、自力で時間をかけて探すしかないし、お醤油はもちろん買いに行かないといけない。手伝ってほしいというただのお願いも、なんだか仕事の依頼みたいになる。あるいは借りをつくることになる。事情もきっとあまり聞いてくれないだろうから、ピリピリとした嫌な緊張感が漂う。

じぶんと周囲の関係が「良好」かどうか。たったそれだけで、人生はぜんぜん違うのだ。良好な関係があるほどに、世界はどんどん生きやすくなる。

こういうことを言う人間というのは、もちろんこういうことがあまりうまくないものだ。だからこそ、身にしみて思うのだ。

みんなに愛想をふりまく必要はない。みんなとうまくやっていく必要もない。ともだちが100人いるという人なんて、むしろ信用できないものだ。

人生は長くはないのだから、好きな人と、気の合う人と、できるだけ長く同じ時間を過すのがいいと思う。けれど、だからといって、周囲の人たちと、じぶんの世界の人たちと、良好な関係が築けないかといえば、それは「そんなことはない」のだ。

深い関係ではなくてもいい。強い絆もなくていい。ただ良好な関係を望めばいいだけなのだ。それだけで、きっとものすごくたくさんのものが手に入る。無駄にトゲトゲしたって、いいことはないわけでさ。

じぶんを取りまく人たちと、良好な関係を築く秘訣は、じぶんが彼らとの「良好な関係」を選ぶというだけです。

イデトモタカ