ESSAY

2015-06-07

仕送り。

イチロー選手は高校三年間の寮生活で、毎晩寝る前に10分間素振りをしたそうです。365日欠かさず三年。すごいことだといえばすごいことですが、真似しようと思えばできることでもあります。特殊な才能が必要な行動ではありません。でのそのときの努力が、今のじぶんの誇りとなり、また力となっているのだと語っている記事を読みました。

可能か不可能かでいえば、可能なことです。寝る前に3年間毎日10分素振りをすることは。でも実際にどれだけの人がやっているのかというと、イチロー選手以外いなかったのではないかと思います。見方を変えれば、イチロー選手だけがその行動に注目し、「可能である」ことを発見したともいえます。もちろん実行したのはすばらしい事実です。

そうか、じぶんもやろうと過去にさかのぼり、同じことをするのはもはや不可能です。過ぎた時間を武器にできるのはイチロー選手だけなのです。

過ぎ去った時間を武器にする。

なんだかぞくぞくすることばです。まさにそれこそが、最強の力だともいえます。手垢のついた表現かもしれませんけれど、きょうがこれからの人生で一番若い日です。過ぎ去った時間を力に変えていくための、一番いいスタートの日です。

人に感謝しながら生きられる人生は幸福です。その相手のなかに、過去にじぶんが含まれているのなら、人生は天国になるかもしれません。

過ぎ去った時間を武器にできるのは、たった1でも数字を積み上げていった人だけの特権です。積み上げることをやめなかった人のご褒美です。

1日10分。けれど365日欠かさず毎日。

いつ芽が出る種かはわかりません。どんな花が咲くのかも、実がなるのかもしれません。けれどそれでも人生という土に種を蒔き、水をやりつづけるのに最適な日は、いつだってきょうです。

イデトモタカ