ESSAY

2015-08-19

テン・カウント。

怒ったときは10数える。そんな教えを聞いたことがあります。ぼくは人から直接そうアドバイスをされたことはありませんけれど、耳にしたことは何度かあります。

怒ったときは10数える。そんなのは子ども騙しだと思われるかもしれません。かくいうぼくがそうでした。「元気に笑顔で過ごす」のような、スローガンみたいなものなのだと。だからこころに残っていませんでした。

ところが最近久しぶりに耳にしたのです。怒ったときは10数える。四半世紀以上生きてきて、いろいろなことを経験して、はじめて「いいことばだ」と感じました。もっと前に聞いておきたかったと思いました。本当はずっと前から知っていたはずなのに。

おかしなことですが、ぼくらは時としてじぶんを失います。冷静なじぶんが「本当のじぶん」であるとも、言いきれないのですが時に馬鹿なことをします。それこそ強い怒りを感じたときに、反対にひどくおだてられたときに、いつも以上にお金があるときやないときに、後悔するような馬鹿をします。もうちょっとよく考えて行動していたら、と思う結果を生み出したりします。

怒ったときに限らず10数える。感情や気分が平常値を超えた場所で判断するときは、とにかく深呼吸をして10数える。それだけで失われずにすむものが、どれほどあるのかしらんと思われます。ぼくがこれまでに失わずにすんだものものは。

他人と過去は変えられません。じぶんと未来は変えられます。一日一歩ずつでも成長していけたらいいと思います。「一日一歩」これも馬鹿にしていたことばだなあ。

イデトモタカ