ESSAY

2015-08-27

サーティ。

いまのぼくの人生の主要な登場人物は、すごくやさしい人たちばかりです。数は多くないけれど、みんなとても良くしてくれる人たちです。それはぼくがやさしいからだと言ってくれる人もいるのですが、鶏が先かたまごが先かの話になってしまいます。

ぼくにしても、みんながとてもやさしくしてくれるので、穏やかな気もちでいられ、やさしくなれます。うまくいかないことや、悩むこと、苦労すること、思うような結果が出せないことも多いですが、それでもぼくはこの人生をいまとても好いています。

思い返すと、学生のころや、幼いころには、わけのわからない理不尽がありました。それこそ何倍どころの話ではなくて、日常に嫌な人や意地悪な人や怒りを感じる人がそこかしこにいました。いまのようにはじぶんでじぶんの生きる環境を自由につくることができないからです。

ぼくはいじめにあったり、反対に誰かをいじめたり、暴力によってひどい目にあうことはありませんでしたが、それでも特に中学生くらいのときは、とてもじゃないですが「いい環境」だったとは思えません。たのしかった思い出なんてものも、見当たりません。神様にその頃に戻りたいかといわれても、ぼくは嫌だと言うでしょう。いまの方が大変ですが、いまのほうがうんといい世界です。

ここに来てくださっている学生のみなさん、いらっしゃるかわらないですが、若い学生の方。人間関係やじぶんの居る環境に、つぶされそうになるときもあるかもしれません。こんな人生なら、もういいやと思ってしまうことも、もしかしたらあるかもしれません。

でも、ご存知のとおり、学生じゃない期間の方が、人生はずっと長いです。そして、その期間にも大変なことはありますけれど、学生のときよりはずっといいです。じぶんの力や意志で変えられるものが、ぐっと増えます。だから簡単に、人生を見捨てることはするなよ、と。せめて30まで生きてみたら、人生のいいところがたくさん見えてくるはずです。

生きろ。

イデトモタカ