ESSAY

2015-10-07

個人差。

ぼくが寒いというと、相手は暑いといった。

ぼくがストーブを出したいというと、相手はヒステリックに否定した。

室内にもかかわらず、ぼくは部屋着の上からマフラーを巻いた。相手はこれみよがしに袖をまくった。

寒いだとか、暑いだとか、気温という数字で見られるものでさえ、体感には個人差がある。

何度以上なら暑くて、何度以下なら寒いということではない。

何度以上なのに寒いといって、何度以下なのに暑いということが、異常なのでもない。

じぶんが暑いからといって、寒いという相手を否定してはいけない。

じぶんが寒いからといって、暑いという相手を馬鹿にしてはいけない。

この世界には激しく個人差がある。忘れないほうがいいとぼくは思った。

いろいろな言動に敏感な人がいる。いろいろな言動に鈍感な人もいる。

どちらがどうというわけではなくて、個人差があると認めることが生きやすくする。

差がうまらないのなら、もうその話はしなければいい。

どうしても差がうまらないのなら、相手とは離れて生きればいい。

簡単に相手を否定したり、馬鹿にしたり、じぶんと違うからといってするものじゃない。

世の中は多数決じゃない。

イデトモタカ