ESSAY

2015-12-05

結婚式に。

数少ない友人の結婚式に出席させていただきました。結婚式に行くたびに、おなじ話ばかりしている気がしますが、やっぱり今回もその話をします。

愛にこだわるなということです。
恋にこだわるなということです。

イチローさんが大リーグに挑戦するとなったとき、いろんな人がいろんな応援メッセージや期待を語っていましたけれど、ぼくは糸井重里さんのことばが一番好きでした。記録を塗り替えてほしいだの、偉大な記録を更新してほしいだの、初年度はこれくらいの活躍をしてほしいだの、わいわい言っているなかで唯一、糸井さんだけはイチローさんに求めることをこう言っていました。

ずっと試合に出られるようにがんばってほしい。

え? というようなメッセージです。他の人たちからすれば、拍子抜けしてしまうような目標です。そんなの当たり前じゃないか、そんな言うまでもないことを、といった雰囲気です。

でも、現実にはそれは「当たり前」ではありません。プロ野球選手は怪我もしますし、調子の悪いときもあります。控えの選手はたくさんいて、その誰もがじぶんこそがと試合に出るために必死にがんばっています。

そんな中で、試合に出つづけることは、決して「当たり前」ではありません。何千本安打だの、打率が何割だの、それらは試合に出られてはじめて成し得る結果です。まずは試合に出なければはじまりません。けれどそれは、何度も言うように、当たり前のことじゃない。

結婚について、いつまでも今日のように愛し合ってだの、一生熱い関係でだの、恋心を忘れずにだの、もちろんいいと思いますけれど、そうやって愛や恋を気負ってしまうよりも、ずっと仲良くねくらいの目標が、ぐっといいように思います。

野球でいうところの、ずっと試合に出てねとおなじです。調子の悪いときも、調子の出ないときも、スランプに陥って悩んだりすることがあっても、試合に出つづけていれば、いいのです。愛だの、恋だの、あまりむつかしいことは考えずに、ずっと、いつまでも、仲良くね。そういうことばを、ぼくからは送りたいと思います。

いろんなことがあるだろうけれど、仲良くね。

イデトモタカ