ESSAY

2016-05-14

終わらせ性。

文章を書くときに、なかなかうまくならないのは、終わらせかたです。一番うまくなりやすいのは、はじめかたです。

理由は明確で、新しい文章を書き始めるのはいつだって、いまからだって、思い立ったときにできますが、終わらせるのは相応の長さを書いたあとにしかできないからです。

書き始めて、消す。またちょっと書いてみて、消す。

これでうまくなるのは「はじめ」だけで、途中も、終わりも、上達しません。そういう意味では、誰もが書き始められるけれど、終わらせる場所にまでたどり着くのは、ほんの一握りです。

竜頭蛇尾というのでしょうか。こういう「頭でっかち」は文章の世界に限ったことではありません。どの分野であれ「はじめ」ほど「終わり」を学ぶ回数はないものです。

でもだからこそ、実力差や経験が出るのも「終わり」の部分です。プロとアマチュアの圧倒的な差の一つは、終わらせた回数の違いではないかとさえ思ったりもします。

けれどこの問題を解決する方法は簡単です。はじめたものは終わらせるという、意識を持つことが第一になります。次にはスピードです。はじめてから終わらせるまでの、間の時間が速いほど、苦になりません。そういう意味で速さはかなり重要です。

人が経験を積み、レベルアップするのは終わらせた後なのです。RPGなどのゲームでも、戦闘中にはレベルアップしません。実際には実践中、仕事の最中に、気づくこと、わかることもたくさんありますが、じぶんのレベルがはっきりと上がるのはきちんと終わったときなのです。

終わらせましょう。何度も何度も。

完成したものがつまらないからこそ、次なのです。

イデトモタカ