ESSAY

2016-11-09

美しく。

海外式、と日本人がいうときはたいていアメリカ式なわけですが、アメリカ式の価値観は「イエス・オア・ノー」なのだと思います。「はい」か「いいえ」か。仕事でいえば、結果を出したか出していないか。黒か白か、真か偽か。それは、はっきりとしていて、わかりやすいです。だからこそ使い勝手もよく、普及していますし、思想としての採用のしやすさがあります。

ではそれですべてがうまくいくかといえば、むずかしいもので、そうでもありません。特に日本人であるぼくらにとっては、「イエス・オア・ノー」だけでは済ませられない、済ませるわけにはいかない血があったりします。では、アメリカ式と比較したときの、日本式の価値観とはどういうものかといえば、それは「美しいか、否か」ではないかと思われます。

「美しい」か「美しくない」か。「美しい」か「醜い」か。これはひじょうに曖昧な基準です。見る人の判断に大いに委ねられますし、なにをもって美しいとするのかという明確な数値や、万人がつかえるモノサシはなかなか用意できません。

でも、ぼくらにはそれが気持ち良かったりします。効率的ではないかもしれないけど、美しいこと。無駄かもしれないけれど、美しいこと。反対に、便利かもしれなけど、美しくないこと。合理的かもしれないけど、美しくないこと。

それは美しいか。日本人だけが、とはいいませんけれど、これは日本人が得意な思想であり、そして、ぼくにはいい思想だと思われます。なんだかよくわからなくなったとき、混乱してなにをどうしようか迷ったときは、「それは美しいか」と考えてみてはどうかしらん。そうすればあなたらしい答えが出るはずです。

イデトモタカ