ESSAY

2017-01-05

その気が。

夢を叶えるということは、もちろん大変なこともありますが、意外とじぶんの決意次第であるものが大半であったりもします。たとえばぼくは昔モンブランの万年筆を使うのが目標だったときがあります。十年くらい前のことだったと思います。モンブランの万年筆は、筆記具と考えたならとても高価なものです。だからといって、すごい大成功をしなければ絶対に手に入らないというものでもありません。アルバイトをしていたり、仕事をしているなら、少しがんばれば手の届くほどのものです。大学生や、高校生でも、高級ブランドの財布やバッグを持てる国ですし。「その気」さえあれば買えるのです。(ベーシックなモデルならですけれど。)でもそれに気付くまでというのか、実際にそうするまで、数年かかりました。買ったときには、翌月のカード代にびくびくしたりもしましたが、支払いは問題なくできましたし、手に入れてみればなんてことはないのです。なにかを手に入れるという夢は、叶うともちろんうれしいですが、もっと早くできたなと思うことばかりです。モノばかりに限ったことではありません。結婚するという夢も、いま相手がいるなら婚姻届を出してしまえば明日には叶います。会社を辞めて独立するという夢も、辞表を書いて看板を掲げたらできます。いや、そんな簡単なことじゃない、と思われるかもしれませんし気持ちもわかりますが、けっこうね、簡単なことだったりします。ぼくらはいつも、簡単なことを複雑に難しく考えてしまいますから。それが冷静で頭がいいことだと思ったりしますから。なんてことはない、ただ「その気」があるか、ということが一番の問題なのだという事実から目を逸らしているような気がしますん。

イデトモタカ