ESSAY

2017-01-08

情の好き嫌い。

愛は万人に、信頼は少数の人に。言ったのは、本当かどうか、シェイクスピアだそう。ぼくも短いながらに生きてきて、この格言には頷くところがあります。

とはいえ、ここのところ少し考える部分があります。先の格言の意味するところとは異なりますが、(あらゆる)人と仲良くなるのも、どうだろうかと。つまり、いい面ばかりではないぞと思われるのです。

ぼくは基本的な買いものはインターネットでします。というか、ほとんどがアマゾンでします。書籍はもちろん、日用品から、食品から、文房具、場合によっては服飾関係まで、いわゆるネットショッピングで行っています。

理由は、購入するものがほとんど決まっているから、ということと、買いものをする時間が夜中だから。それと、じっくり冷静に、あらゆる比較ができるからという部分に因っています。

とりわけ、この「冷静に」というのが問題で、確かに実際にお店に足を運んで、店員さんと話をしながら、相談したり、意見を聞いたり、時には関係のない談笑をしながら何にするか決めるのは買いものの醍醐味の一つでもあります。

親しくしてくれているお店もいくつかあります。ですが、仲良くなったり、理解を深めたりするほど、良くも悪くも「情」がでてきます。そしてこの情は、これまた良くも悪くもですが、判断において「冷静さ」を鈍らせもします。

そんなに買いものにストイックさが必要ですかい、と問われれば苦笑いするしかありませんけれど、ぼくは「情」によって判断が甘くなったり、鈍ったり、場合によっては間違えてしまうじぶんが、なんとなく好きになれません。お店側の人たちにとってみれば、そこが狙いといいますか、そういう「感情的なつながり」こそが武器であり、秘密兵器たりうるものなのも承知です。

別れるのが辛いから出会いたくない、なんて少女のようなことは思いませんけれど、親しくなることが目的ではない相手とあまりに親しくなることは、あるいは手放しに「いいこと」だとは思えなくなっております。生きるというのは、おかしなものです。

イデトモタカ