ESSAY

2017-07-24

変なチャンス。

ともだちには「変なひと」がいたほうがいい。変なことが起こるから。もちろんあなたが「変なひと」になってもいいし、むしろぼくはそれをおすすめしたい。変なひとが変なことをすることで、予定調和の人生に変なものが混ざって、想像もしなかったような未来が生まれたりする。計画したり、想定したりできないことが、常に重要なきっかけには絡んでいる。

ぼくもじぶんの人生を振り返って、予想もしていなかったちょっとしたきっかけが、その後の人生を大きく、大幅に変えて、むしろその変な小さな出来事がなかったらどうなっていたのだろうと思うことばかりだ。一般的には「チャンス」というのかもしれないけれど、そのときにはちっともそんなふうには思わないもので。

人生に「変なもの」を混ぜよう。どうなるかわからないものを、積極的に。なにも起こらないかもしれないし、なにか起こるかもしれない。がっかりさせるかもしれないけれど、ほとんどの場合はなにも起こらない。あなたが期待するような、魔法にはならない。だれからも注目されなかったり、ちっともうまくいかなかったり、なんの影響もないことばかりだ。

でもたまに、なにか起こったりもする。そういうとき、なにが起こったとしても、ぼくらにとっては想定の範囲外の出来事になる。予想もしていなかった、思わぬことになる。セレンディピティと呼んだっていい。こういう予定外の変なこと(ときには困ったこと)が、いつもいつも、ぼくらに不思議なプレゼントをくれる。

ぼくは「カシミア」を書くようになって、なにか大きく変わったかといえば、なにも変わっていないともいえる。でもたくさんの人に出会って、すべてが変わったともいえる。ともだちもふえた。大したことないかもしれないけれど、ほんの気まぐれで想像もしない未来になった。予定どおりではない「なにか」をぼくが人生に混ぜたから。あなたも混ぜてみるといいよ。なにも起こらないかもしれない。でも、すごいことが起こるかもしれない。(そしてその可能性は決して低くはないのだ。)

イデトモタカ