ESSAY

2018-08-12

決定的に。

人はなにかしら欠けている。決定的に欠けているものがなになのかでけっこう人生がかわる。生きるときの進み方がかわる。

ぼくの場合のそれは「方向感覚」だ。方向感覚がまるで欠けている。だからいつも道を間違えるし、いまじぶんがどこにいるのかも正直あんまりわかってない。

文字どおり決定的に欠けているのでなおす気にもならない。他にももちろんぼくのなかには欠けているものがあるのだろうけど、目立っているのはこれだと思う。そして、個人的な実感としては被害はずいぶん少なくすんでいる。

でもそれはきっと勘違いで、避けるように生きているのだ。例えばぼくは車の運転をしないし、そもそも免許だってとらなかった。周りの人からもあんまりぼくにはそういうことをしないように求められている気もする。

そういえばパズルゲームだって苦手だし、そういった能力が必要とされる職は選ばなかったというよりも選べなかったのかもしれない。

決定的に欠けているものが、数学的なものの人もあれば、対人的なものの人もあるかもしれない。ぼくのように空間的な人もいれば、言語的な人もいるだろう。

克服することも人生だけれど、あるもので遊ぶのも人生だ。ぼくはあるもので十分に遊べているし、人生はけっこう気に入っておりますよ。

イデトモタカ