ESSAY

2019-09-20

サンタクロースの違ったギフト。

才能は、必ずしも望む人間に、望むかたちで与えられるわけではない。なんて、わかったようなことを書いてみる。才能がある、ない、ということについて、総合的な時間差以上の、先天的な「なにか」があるのかどうか、正直ぼくにはわからない。

それでも、ある対象について才能を発揮したいと望み、時間と労力をそれなりにかけたとしても、望むかたちでは開花せず、別の少しずれた場所で花が開く。実を結ぶ。そういう体験は、めずらしいことではないように見える。ぼくも、その一人だからだ。

ぼくは元来、文章のなかでも、小説を書く才能を希望した。けれど、実感として手に入れられたのは、こういった身辺雑記と呼ばれるようなエッセイや、商品やサービスを紹介するコピーライティング(セールスライティング)の分野での能力だった。

2つ得られたのだから、ラッキーだったと考えることもできる。でも、ぼくが望んだ才能ではなかった。いや、本心では、こちらをこそ望んだのかもしれない。あるいは、恐れたのかもしれない。欲しかった才能を手にした先にある生活や現実を、暗に避けたのかもしれない。

こればっかりは、どれだけ自分に正直になろうと思っても、わからない。ぼくは夢を叶えたくなかったのだ、ということを、認めるのはむずかしい。それが真実であったなら、なおさらのこと。

才能とは、サンタクロースからもらった、おもちゃのようなものかもしれない。ぴったり望んだものではないかもしれない。それでも、用意してくれたのだ。自分のために。それでたのしく遊ぶ方法を考えるのが、愉快に生きるコツなのではなかろうか。

イデトモタカ