サヨナラと、エッセイだけが、人生だ。

  1. おやゆび便り
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映えない景色

世界旅行などをして、
人生でたった一度きりの景色を、
まだ見ぬ絶景を求めるのもいいですが、
ぼくは同じ景色を何度も見るのが好きです。
それは場所ということだけでなく、
日常にしてもそうなのです。

たとえばぼくはレストランが好きですが、
毎月同じレストランに行くほうが、
毎月違うレストランに行くよりも
好きな場合が多いです。
理由としては、同じレストランに行くほうが
そのときそのときで、じぶんのなかの
なにが「違う」のかがわかるからです。

ああ、あのときよりこうなったなあとか、
あのときまだこうだったけど、
今はもうこんなふうにできたなあだとか、
同じ景色のなかだからこそ、
じぶんの変化に敏感に気づけます。

ふだんの生活にしてもそうで、
毎日が昨日と違う特別な日、
というのも素敵ではありますが、
ぼくは静かな日々のほうが好みです。
同じような日々のなかで、
でも決して同じ日なんてなくて、
そのなかでの変化、周りの変化、
じぶんの変化に気づけることを
うれしく思うのです。

ぼくは飽き性ですぐにいろいろなことに
興味を持ってはやめて次に行って、
そしてまた戻ってくるのですが、
戻ってきるたびに前とは少し
景色が違って見えることに歓びがあります。
ああ、前は見えなかったこんなものが
見えるようになったんだなあと、
じぶんの変化がおもしろいのです。

だれが感動するような「映える景色」も
すてきではありますが、
ぼくは他のだれかにはまったく意味のない
じぶんだけのいつもと同じ、
でもこれまでとは違って感じられる
「映えない景色」に愛をおぼえます。

では、また書きます。

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